ブックタイトル鉱山2019年7月号

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概要

鉱山2019年7月号

も,金属粒子と樹脂を用いた電波吸収体の研究内容について,ご紹介いただきました。まず,太陽電池の評価については,液体窒素温度で作動可能な1cm角サイズのSQUIDを用いて,太陽電池に発生する微小電流変化を読み取ることで電流分布異常が見える為,非接触で太陽電池の内部欠陥を見つけることも可能とのこと。また,鋼材の内部欠陥の検査では,低周波磁場を用いることで浸透深さを深くし,汎用の磁気センサで低周波磁場の応答を検出することで,内部に生じた腐食による減肉や欠陥を,非破壊で検出することができるとのこと。実際に鋼板の裏面にザグリ加工したサンプルで,表面からザグリ穴の形状を検出したデータをご紹介いただきました。また,本手法を用いて自動車部品の焼入れ状態の検査や,鋼材の疲労度の検査にも適用可能とのことでした。塗料の影響を受けずに非接触で測定可能等のメリットがあるそうです。3.JFEスチール株式会社西日本製鉄所(倉敷地区)二日目の朝,宿泊した岡山駅に直結したホテルを出て,駅前のバス乗り場から小型のバスに乗り,50分ほどの走行で,倉敷市にあるJFEスチール㈱の西日本製鉄所に到着しました。この西日本製鉄所は,今回訪問した倉敷地区と,約30km離れた広島県の福山地区の,2つの事業所を一体運営しているそうです。さすがに製鉄所は規模が大きく,入り口ゲートからそのままバスで移動し,見学センターの建物に到着しました。見学センターの新宅館長から最初に概要をご説明いただき,製鉄所の沿革,敷地内の工場配置,製鉄所の基本的なプロセスと製品について伺いました。石炭を処理してコークスを作り,鉄鉱石と石灰石を混ぜて焼結鉱を作って,それらを高炉に投入して,下部から高温のガスを吹き込むことで,鉄鉱石から銑鉄を得て,それを転炉等で成分調整をして,目的とする鋼にします。そして得られた鋼を圧延や熱処理,表面処理等で,様々な製品に仕上げていくとのことでした。また,隣の岡山県環境保全事業団の埋め立て地は,ゴルフ場もあり,また,昨年の岡山県真備町の大規模な水害の後,発生した災害ゴミの集積場にも場所を提供していたそうです。事業所全体では関連会社を含めて14000人ほどが働いているとのことで,JFEスチール社員は約3700名,近年は現業系の新入社員の10%ほどが女性だそうです。引き続き,新宅館長にご案内いただいて,構内の工場見学に向かいました。バスで移動する写真2 JFEスチール西日本製鉄所倉敷地区にて集合写真鉱山第777号2019年7月-24-