ブックタイトル鉱山2019年7月号

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概要

鉱山2019年7月号

見学会D班(工務部門)パンパシフィック・カッパー株式会社佐賀関製錬所見学記古河機械金属株式会社技術統括本部名塚龍己1.はじめに日本鉱業協会2019年度全国鉱山・製錬所現場担当者会議の現場見学会として,パンパシフィック・カッパー株式会社のご協力により佐賀関製錬所を訪問させていただき,世界最大級のクリーンな製錬所を見学させていただきました。佐賀関製錬所は,大分県東部の佐賀関半島に位置しており,1916年から銅の電解及び真吹炉の操業を開始し,翌1917年から溶鉱炉の操業を開始しました。また,これに合わせ硫酸銅の生産も同年に開始しています。その後1970年と1973年に日鉱式第1及び第2自熔炉の操業を開始しています。1996年には2炉操業を1炉操業に変更し,1998年と2000年の設備増強工事を経て,39,200t/月まで生産量を上げました。1系統の溶解炉で39,200t/月の粗銅生産量は,世界最大級と言えます。今回の見学会では,大型の荷役設備のあるバース,第一煙突跡地,自熔炉管理室,精製炉及写真1佐賀関製錬所全景び第3電解を見学させていただきました。2.見学コース(1)バース銅精鉱を始めとする原料受入,生産された硫酸の積み出し等を行っており,5万t級の着桟が可能な長さ300mの岸壁となっています。銅鉱石を運搬する鉱石船は,年間約100隻にも上るとのことです。世界各地から運搬されてきた銅鉱石は,13,000t/日の能力を持つ大型アンローダで荷揚げされ,自動秤量,自動サンプリング装置を経て,貯鉱舎にコンベヤで運搬されています。貯鉱舎までの銅鉱石運搬用ベルトコンベヤは,密閉構造のケーシングに収納し,飛散防止を図っています。チリから鉱石運搬する船は特別な仕様として,銅鉱石を下した後に硫酸を積み込むことが可能な船になっているとのことで,チリに輸出された硫酸は,SX-EW法に使用されているとのことでした。(2)第1煙突跡地操業開始当初から活躍していた第1大煙突は,2013年に解体されましたが,その基礎部分はモニュメントとして今も残されており,当時の施工技術力の高さと周辺環境配慮への思いが感じられました。当時の鉄筋の断面形状が丸ではなく四角になっていたことも,煙突下部のコンクリート断面から確認することができました。(3)自熔炉及び管理室銅精鉱は,珪酸と混合しドライヤで乾燥された後,常温の高酸素空気と共に精鉱バーナから-19-鉱山第777号2019年7月