ブックタイトル鉱山2019年7月号

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概要

鉱山2019年7月号

見学会B班(製錬部門)2019年度現場担当者会議見学記JX金属株式会社小林義文2019年6月12日から13日に令和元年の現場担当者会議の本会議が開催されました。わが製錬部門では10件の講演があり,講演後の質問や意見が例年以上に活発で,座長が時間切れをやむなく告げざるを得ない講演がいくつもあるほどの盛況でした。また参加者も170名を超えて昨年より広い会場も連日空席を探すような状態でした。13日の本会議終了後,見学参加者39名は見学先である宮崎県日向市に所在する株式会社日向製錬所様を目指して移動しました。宮崎空港に下りるとあいにくの雨模様ながら南国の香りと暑さを感じました。参加者の大半は翌朝から日向市に向けてJR日豊線に乗り込む予定で宮崎空港の近くの宮崎市に宿泊し英気を養ったようです。当日は雨で,日向市駅集合9時10分に間に合うよう8時6分の日豊線大分方面行きの列車に乗り込みました。通常宮崎駅から日向市駅までは50分ということなので,前日の大雨により徐行区間ありとの車内アナウンスがあっても所要時間からみて集合時間まで余裕ありと思っておりましたが,この徐行に加え大雨による遅れが加わり車内で9時を過ぎた際は,前日の会議終了時に事務局の岸本部長代理の見学者の集合遅れは許されませんとの声が急によみがえってきて不安に満ちた道行となってしまいました。結局,日向市駅に9時30分着となり慌てて集合場所に走りましたが,参加者の大半が同じ列車遅れでバスは集合場所に待機していてくれたので安堵しました。我々見学者一行は遅れながらも日向市駅を出発し,途中日向市の街並みを見ながら㈱日向製錬所様に到着しました。意外に広く区画も整然とされているなという工場の印象です。会議室に案内されると遅れてきたにもかかわらず当製錬所の川中部長以下スタッフの方々に快く受け入れていただきました。また39名の見学者受け入れは約10年ぶりということでご準備いただいていました。まず川中部長からご挨拶いただいた後,本日の予定と工場の概要についての説明を伺いました。見学は岸壁,貯鉱舎,ドライヤ,キルン,制御室,電気炉,脱硫設備,鋳造設備の順に主要設備をフローに従って見せていただくとのことでした。次に工場概要です。当製錬所が生産されている製品はFe-Niです。Fe-NiはNi鉱石から作られ主な用途はステンレスの主要成分であり,そのステンレスはリサイクル率が高く日本は世界有数の消費国とのことです。当製錬所は住友金属鉱山株式会社のグループ会社の一つですが,住友金属鉱山㈱では愛媛県新居浜市でニッケル工場が電気Ni,当製錬所がFe-Niとグループ内ですみ分けされているそうです。当製錬所ではFe-Niが10万t/年(Ni量で2万t/年)の生産キャパを有しており,国内の1/4程度の生産量を担っているとの事です。設立は1956年で創立60年を超えていますが,1968年に日向市内で工場移転をされ現在に至っているとのことです。株主は住友金属鉱山㈱(60%),日鉄ステンレス株式会社(25%),三井物産株式会社(15%)-13-鉱山第777号2019年7月