国際銅研究会(ICSG)2022年4月総会報告 New

2022-05-10

国際銅研究会(ICSG)2022年4月総会報告

2022年5月6日
日本鉱業協会企画調査部

 

2022年の春季国際銅研究会(ICSG)総会は、4月28日および29日(現地時間)にポルトガルのリスボンを基点としてWeb会議にて行われ、加盟国の政府および業界の代表者などが会議に参加した。日本からは政府代表に加えて数名の業界関係者が必要に応じてオンライン会議に参加した。5月3日付けでプレス発表された世界の銅需給見通しは次の通りである。

 

1.2022年と2023年の世界の銅需給予測(添付 世界 銅需給総括表:ICSGプレスリリース参照)

1)銅鉱石生産

世界の銅鉱石生産量は、2019年までの3年間は伸び悩んだが、2021年で2.4%増加し、2022年で5.0%、2023年で4.8%の増加と予測。

・COVID-19オミクロン株に関連する諸制限と欠勤による鉱山労働者の不足の為、2022年初めまで鉱山操業は低調であった。しかしながら、2022年の世界の鉱石生産は新規鉱山や、既存の鉱山の増産とCOVID-19に関する状況改善の恩恵により増加する見込み。

・過去4年では、わずか2つの大規模銅鉱山のみが操業を開始しただけであったが、工事中のプロジェクトは増加している。2021年から2023年においては、DRコンゴのカモア・カクラ、ペルーのケジャベコ、チリのスペンス、ケブラダ・ブランカ2、ロシアのウドカンなどが操業開始予定である。また、いくつかの中小銅鉱山も操業開始予定である。

・大半の新規銅山は銅精鉱を生産する鉱山であり、結果として世界の銅鉱石生産量は2022年から2023年にかけて増加をする見込み。

・SX-EW生産は、2021年の減産から回復し、2022年及び2023年には増産する見込み。主な増加要因は、DRコンゴにおける既存鉱山の増産と新規プロジェクトであり、続いて米国での生産拡大が寄与している。一方、チリでのSX-EW生産は、引き続き減少していく見込み。

 

2)銅地金生産

世界全体の銅地金生産量は、過去3年間は、小幅な増産に留まったが、2022年に4.3%、2023年に約3.6%増加すると予測。

・2021年は、操業面でのトラブルとSX-EWプラントの減産により、中国以外では1.3%の生産減となったが、2022年は回復する見込み。

・2022年の世界の銅地金生産量の増加は、主に中国の増産とDRコンゴでのSX-EW生産増による。

・世界の一次原料(SX-EW含む)、二次原料(スクラップ)での銅生産量は共に2022, 2023年で増加する見込み。要因はそれぞれの原料と生産能力の増加。

3)銅地金消費

世界の銅地金見掛け消費量は、2022年には約1.9%、2023年には約2.3%増加すると予測される。

・2022年の世界の銅地金消費の増加見込みは前回予測よりも低下し、1.9%の予測。これは、ロシアのウクライナ侵攻による需要減と中国のCOVID-19を理由としたロックダウンによる製造業へのマイナス影響によるもの。

・2022年、中国の見掛け消費は約1%増加する見込み。

・2023年世界全体での消費は、2.8%増加する見込み。要因は中国を中心とした製造業の全般的な回復と銅需要での継続的増加。

・銅は経済活動、特に現代の技術社会において不可欠であるため、需要の持続的な増加が続いていくと予想される。加えて、インフラの発展と、クリーンエネルギーと電気自動車活用という世界的トレンドが、長期にわたる銅需要増加要因となるだろう。

4)銅地金需給バランス

世界の銅地金需給予測は、2022年には約14万トン、2023年には約35万トン生産が消費を上回る見込み。

・ICSGは、グローバル市場のバランスは様々な需給要因により変化するものであると認識している。また、それらの要因がCOVID-19の感染状況という不確定要素に左右されるものだと理解している。そのため、予見できない要因により、実際の需給がICSGの予測から逸脱することは起こりうる。

・ICSGは、グローバルな市場需給予測の際に、未報告である種々の中国の在庫(国家備蓄、生産者、消費者、貿易業者、保税)は考慮に入れていない。これらの在庫は、在庫積み増しや、放出によっては世界の需給を大きく変える要因である。なお、中国の見掛け消費量は(生産+輸入−輸出+/−SHFE在庫変動)によって算出している。

・ICSGは2022年、少量ながら世界全体で14万t供給が需要を上回る。供給増が見込まれる2023年には、35万t供給が消費を上回ると予測している。

 

2. ICSGの次回総会日程

2022年10月18,19日に開催予定。

 

以上

添付 世界 銅需給総括表:ICSGプレスリリース

 

>> 印刷はこちら(PDF)

一般財団法人 日本鉱業振興会
〒100-0054 東京都千代田区神田錦町3-17-11
TEL 03-5280-2341 FAX 03-5280-7128

サイト利用規約 | プライバシーポリシー

Copyright © The Japan Mining Promotive Foundation. All Rights Reserved.