国際鉛亜鉛研究会(ILZSG)2021年4月総会報告

2021-05-06

国際鉛亜鉛研究会(ILZSG)2021年4月総会報告

2021年5月6日
日本鉱業協会企画調査部

2021年の春季国際鉛亜鉛研究会(ILZSG)総会は、4月27日および28日にポルトガルのリスボンを基点としてWeb会議にて開催され、経済・環境委員会、常任委員会、統計委員会、産業関係者討議(IAP)が行われた。4月30日付けで発表されたプレスリリースは次のとおりである。

1 2021年の鉛の世界需給予測

1)鉛地金需要

  • 2020年の鉛地金需要は2019年比で5.2%減少したが、2021年の需要は2020年比3.9%増の1,197万トンになる見込みで、欧州、インド、日本、韓国などを中心に世界のほとんどの国と地域で使用量が増加すると予測される。
  • 欧州では7.7%、インドでは9.6%、日本では10.6%、韓国では12.2%の増加を見込んでいる。
  • 中国では、2021年の増加率は0.3%と緩やかなものになると予測される。

2)新産鉛および再生鉛生産

  • 2021年の世界の鉛鉱石生産量は、オーストラリア、ボリビア、中国、メキシコ、ペルーでの増加を中心に、2020年比5.1%増の475万トンとなる見込みである。欧米では、鉛精鉱の供給は安定的に推移すると予想される。
  • 鉱石産と再生鉛を含めた2021年の世界の鉛地金生産量は、ベルギー、中国、インド、韓国での増加が主な要因となり、3.3%増の1,207万トンとなる見込みである。一方、米国では、クラリオスの年産10万トンの二次製錬所(サウスカロライナ州フローレンス)の閉鎖が発表されたことから、生産量が減少すると予想される。

3)鉛地金需給バランス

加盟国からのすべての情報を総合すると、2021年の世界の鉛地金需給バランスは、9.6万トンの供給過多になると予測した。

2 2021年の亜鉛の世界需給予測

1)亜鉛地金需要

  • 2020年の世界の亜鉛地金需要は2019年比で3.9%減少したが、2021年の需要は2020年比4.3%増の1,378万トンになる見込みである。
  • 中国では、2020年に1.3%増加し、2021年にはさらに1.8%増加すると予測される。
  • 中国を除く世界では、2020年の亜鉛地金需要はCOVID-19のパンデミックとそれに伴う景気悪化の影響を大きく受け、8.7%の減少となった。
  • 2021年には回復が見込まれ、欧州では6.9%、日本では15.4%の亜鉛消費量の増加が予測される。また、インド、韓国、台湾、トルコ、米国でも同様に増加が見込まれる。

2)亜鉛地金生産

  • 2020年の世界の亜鉛鉱石生産量は2019年比で4.9%減少したが、2021年の生産量は5.7%増加して1,292万トンになると予測される。これは主に、オーストラリア、ボリビア、インド、カザフスタン、メキシコ、ペルー、南アフリカ、米国での増加によるものである。
  • 中国の亜鉛鉱石生産量は、2020年に3.7%減少したが、2021年は1.7%の増加が見込まれる。
  • 欧州の亜鉛鉱石生産量は、2020年12月にポーランドのオルクシュ・ポモジャニ鉱山が閉鎖したことによりマイナスの影響を受けるが、ギリシャとアイルランドでの増加により、2021年は2%の増加が見込まれる。
  • 世界の亜鉛地金生産量は、2020年に1.6%増加したが、2021年の生産量は引き続き3.1%増加して1,413万トンになると予測される。
  • 中国の亜鉛地金生産量は、2020年に2.9%増加し、2021年はさらに2.8%増加することが見込まれる。米国では、ノースカロライナ州ムアズボロにあるアメリカン・ジンク・プロダクツの年産15.5万トンの再生亜鉛製錬所がフル生産に移行したことにより、生産量の増加が見込まれている。その他、インド、イタリア、日本、メキシコ、ペルーでも生産量の増加が予測される。

 

3)亜鉛地金需給バランス

2021年の世界の亜鉛需給バランスは、35.3万トンの供給過多になると予測した。

3 経済・環境委員会

経済・環境委員会では以下の講演会を開催した。

1)タイムゾーンA

  • インド鉛亜鉛開発協会(ILZDA)エグゼクティブ・ディレクター、ラクシュマナン・プガゼンティ氏「COVID-19禍のインド鉛亜鉛産業」
  • 中国、安泰科の鉛・亜鉛部門マネージャー、シンディ・シャア氏「COVID-19禍の新しい状況と炭素排出ピーク下での中国の鉛・亜鉛部門の展望」
  • 国際鉛協会(ILA)コンサルタント、ブライアン・ウィルソン氏「使用済み鉛蓄電池のリサイクルのために利用可能な最善の技術と環境対策」

 

2)タイムゾーンB

  • 英国CHRメタルズのディレクター、ヒュー・ロバーツ氏「欧州の産業活動の動向と鉛・亜鉛への影響」
  • 英国RBMCのコンサルタント、ロビン・バー氏「COVID-19パンデミックのベースメタル市場への影響」
  • 米国ISRIのチーフエコノミスト兼コモディティ担当ディレクター、ジョセフ・ピカード氏「パンデミックによってベースメタル・スクラップ市場がどのような影響を受けたか」

4 2021年のILZSG総会スケジュール

第66回総会は2021年10月7、8日に開催予定。

プレスリリースの詳細については、ウェブサイトwww.ilzsg.orgにアクセスするか事務局宛てに問い合わせください。

以上

>> 印刷はこちら(PDF)

一般財団法人 日本鉱業振興会
〒100-0054 東京都千代田区神田錦町3-17-11
TEL 03-5280-2341 FAX 03-5280-7128

サイト利用規約 | プライバシーポリシー

Copyright © The Japan Mining Promotive Foundation. All Rights Reserved.