国際鉛亜鉛研究会(ILZSG)2021年10月総会報告

2021-10-24

国際鉛亜鉛研究会(ILZSG)2021年10月総会報告

2021年10月20日
日本鉱業協会企画調査部

 2021年の秋季国際鉛亜鉛研究会(ILZSG)総会は10月7日および8日にWeb会議にて開催された。
 常任委員会、統計委員会、産業関係者討議(IAP)が行われ、亜鉛と鉛の現在の世界需給と2022年の概況の見通しについて発表がなされた。経済・環境委員会も同様に行われた。それぞれの委員会において、世界の亜鉛、鉛のトレンドや問題点についての有益な情報を伝えるプレゼンテーションが行われた。
 10月12日付けで発表されたプレスリリースは次のとおりである。

鉛予測

1)鉛消費
 鉛消費は2020年に3.9%減少した後、2021年は5.5%増加の1,239万トン、翌2022年は、1.7%増の1,261万トンになる見込み。
 2020年の鉛消費減少を経て、2021年はインド、日本、韓国、メキシコにおいては大きな増加が見込まれる。
 2021年EUの鉛消費は4.4%増加見込み。米国での見掛け消費は昨年の急減から堅調な回復を見せ9.6%の増加を見込んでおり、2019年の記録を越える量。2022年にはEUで3.2%、米国で2.3%の増加見込み。
 2020年、中国においては世界の経済環境が困難な状況であったにもかかわらず消費は0.6%増加した。2021年には、更に2.0%、2022年には0.9%の増加が見込まれている。

2)鉛生産
 世界の鉛精鉱生産は、2021年に4.1%増加の468万トン、2022年には2.8%増加の481万トンになる見込み。中国での生産は、2021年1.7%増加、2022年1.0%増加の見込み。
 2021年の鉛地金生産は、オーストラリア、ボリビア、インド、メキシコ、ペルーでの増産の影響を受け、実質的に16.5%の増加。ヨーロッパでは、2020年12月にポーランドのOlkusz-Pomorzany製錬所の閉鎖したことが主に影響し、1.2%の減産となる見込み。
 2022年、鉛精鉱の生産はブラジル、インド、カザフスタンで著しく増加。メキシコ、ペルーでも増産が見込まれる。オーストラリアと米国での生産は前年並みで推移する見込み。
 ILZSGは世界の鉛地金生産は2021年に4.4%増の1,242万トン、2022年には1.7%増の1,263万トンになると予測。中国での鉛地金生産は2021年に4.7%増加だが、2022年には緩やかな伸びとなり1.0%の増加に留まる見込み。
 2021 年、鉛地金生産量は中国、インド、韓国での著しい増産と、ベルギー、フランス、日本、メキシコ、ポーランドでの緩やか増産により増加する見込み。
 2021 年に鉛地金が減産になるのは、7 月半ばの洪水の影響による被害でEcobat’s Stolberg製錬所の一時的な操業停止があったドイツ、ノースカロライナ州のClarios 社の年産10 万トンの二次製錬所が2021 年3 月に閉鎖となった米国が挙げられる。

3)鉛地金需給バランス
 上記の会員各国からの情報を考慮し、ILZSG は、世界の鉛需要は2021 年で27,000 トン、2022 年で24,000 トンとわずかに生産が消費を上回ると予測する。

亜鉛予測

1)亜鉛消費
 亜鉛地金の消費は2021 年、6.2%増の1,409 万トン、2022 年には2.3%増の1,441 万トンになると見込まれる。
 中国の亜鉛地金消費は2020 年に1.5%増加後、2021 年2.1%、2022 年1.5%の増加となる見込み。中国の亜鉛メッキ業界は2021 年上期で大幅な成長を示したものの、7,8 月の生産量は上半期実績ペースより減少した。
 欧州での亜鉛地金消費は、2020 年の8.1%の減少の後、2021 年には8.5%の増加を見込む。これは主に、フランス、ドイツ、イタリア、ノルウェー、ロシア、英国での増加の結果である。2022 年には、より緩やかな2.6%の増加が見込まれる。
 2021 年、亜鉛地金の消費増加が予想されている国としては、特にブラジルが挙げられる。
 その他では、インド、日本、台湾、タイ、トルコ、米国である。

2)亜鉛生産
 世界の亜鉛精鉱生産は、2021 年4.7%増の1,285 万トン、2022 年は4.2%増の1,339 万トンになると見込まれる。
 2021 年はボリビア、インド、メキシコ、ペルー、南アフリカ、カザフスタンでの亜鉛精鉱の増産、特にカザフスタンでは、5 月にKazzinc 社が年産15 万トンのZhairem 鉱山での生産を開始した。しかしながら、これらの増加分の一部はブラジル、ナミビア、ポーランドでの減産に相殺され、純増とはならない見通し。
 2022 年は、試験操業が予定されている、Nexa resource の年産8 万トンの新規鉱山、ブラジルのアリプアニャ鉱山と、それと同規模の拡張を予定しているLundin Mining 社のポルトガルのネヴェス・コルヴォ鉱山があり、結果としてブラジルとポルトガルそれぞれで増産になる予想。同様にオーストラリアとカザフスタンでも相当量の増加が見込まれている。
 中国産の亜鉛精鉱生産は2021 年2.3%、2022 年0.7%の増加を見込んでいる。中国以外の予測では増加幅はより急激で、2021 年で5.9%、2022 年で5.8%の増加を見込んでいる。
 2021 年の亜鉛地金生産は2.5%増の1,413 万トンになる見込み。これは主に中国の3.2%の増産、加えて、イタリア、インド、日本、ペルー、米国での増産によるものである。カナダ、韓国では減産、オーストラリアでは変化なしの見込みである。
 2022 年には、中国での1.7%増産と共に、オーストラリア、インド、ノルウェーと、2022年第一四半期(暦年)で年産2 万トンへの拡張を予定しているカナダのValleyfield 製錬所での増産等が影響し、世界生産計は2.3%増で1,445 万トンになる見通し。

3)世界の亜鉛地金需給
中国の国家糧食物資備蓄局(SRA)の18 万トンの在庫放出も考慮した上で、ILZSG は世界の亜鉛地金の需給は2021 年21 万7 千トンの余剰、2022 年には4 万4 千トンの余剰になると予測する。

3 経済・環境委員会

 経済・環境委員会では、現在の経済、環境、リサイクルと持続可能性の領域での開発について、講演会を開催した。
 様々な部門の専門家より、広い範囲での話題についての講演が行われた。ERMA(European Raw Materials Alliance)のディレクターMassimo Gasparon 氏はERMA の、組織の構造と目的、将来の活動計画について発表を行った。中国非鉄金属産業協会(China’s Nonferrous Metals Industry Association)の技術部部長代理Dan Li 氏は、中国非鉄産業のカーボン・ピークアウトについて講演した。国際鉛協会(International Lead Association)の常務取締役Andy Bush 博士は、現在の鉛産業に影響する問題について講演した。UNEP(United Nations Environment Programme),Global Mercury Partnership のProgramme Management Officer である Stéphanie Laruelle 氏は同パートナーシップにおいて進行している、非鉄金属由来の水銀と水俣条約の下での非鉄金属関連の廃棄物についての概要について講演した。国際亜鉛協会(International Zinc Association)の取締役であるAndrew Green博士は同協会の亜鉛に関しての重要な構想について講演した。

 

4 2022 年のILZSG 総会スケジュール

ILZSG は次回の年次総会とその委員会及び産業関係者討議(IAP)を2022 年の10 月20,21日に開催する予定。同様に、常任委員会、経済・環境委員会は、2022 年4 月6 日に行う予定。

 

新規刊行物
2021,2022 年刊行予定のレポートは下記の通り。

 • World Directory of Continuous Galvanizing Plants
 • Report on the Chinese Primary and Secondary Lead Metal Sector
 • Lead and Zinc New Mine and Smelter Projects
 • World Directory of Lead and Zinc Mines
 • World Directory of Primary and Secondary Lead Plants
 • World Directory of Primary and Secondary Zinc Plants
 • Report on Lead Secondary Production in Selected South East Asian Countries
 • Report on “Likely Future Trends in China’s Economic Development and Implications for the Chinese Lead and Zinc Demand
 • Update of the World Lead Factbook

 プレスリリースの詳細については、ウェブサイトwww.ilzsg.org にアクセスするか事務局宛てにお問い合わせください。

 

以上

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