国際ニッケル研究会(INSG)2022年4月総会報告 New

2022-05-10

国際ニッケル研究会(INSG)2022年4月総会報告

2022年5月6日
日本鉱業協会企画調査部

 

2022年の春季国際ニッケル研究会(INSG)総会は、4月22日及び25日にポルトガルのリスボンを基点としてWeb会議にて開催され、加盟国の政府や業界、国際機関などの関係者が参加した。4月27日付けで発表されたプレスリリースは次のとおりである。

 

1 2021年及び2022年の世界のニッケル市場

COVID-19の感染拡大とウクライナ情勢の悪化という二つの要因によって、市場の不確実性とインフレが加速し、経済成長は鈍化した。政府と業界の参加者は、会議においてニッケル市場の動向について広範囲に議論を行った。

国際ステンレス鋼フォーラム(ISSF)の発表によると、2021年のステンレス鋼の生産量は、2020年比10.6%増の5,630万トンであった。

2022年についても、ステンレス鋼の生産量は緩やかながらも増加を見込んでいる。また、電気自動車(EV)生産量の増加は、バッテリーに硫酸ニッケルを使用していることから、引き続きニッケル需要にプラスの影響を与える。

インドネシア政府は、2020年1月より未加工のニッケル鉱石輸出を禁止した。その結果、中国はNPI(ニッケル・ピッグ・アイアン)用の鉱石原料不足になったため、中国のNPI生産量は減少した。NPI生産は、引き続きインドネシアで増加し、中国では減少する。また、インドネシアのNPI生産は、一部がニッケルマットに切り替わると見込まれる。インドネシアでは、ニッケル・コバルト混合水酸化物(MHP)を生産する目的でHPALプロジェクト(高圧酸化浸出プロセス)が進められていて、ここ数か月の間に数か所の新規製錬所が操業を開始した。中間製品であるニッケルマットとMHPはいずれも中国に輸出され、硫酸ニッケルに加工されて電気自動車用電池に使用される。

世界の新産ニッケル生産量は、2020年は249.0万トン、2021年は260.8万トンであったが、2022年はインドネシアと中国の増加によって308.2万トンに達すると予測した。ただし、生産中止等の調整係数は含まれていない。

世界の新産ニッケル消費量は、2020年は239.0万トン、2021年は277.6万トンであったが、2022年は301.5万トンに増加すると予測した。したがって、2020年は9.9万トン生産が消費を上回り、2021年は16.8万トン消費が生産を上回ったが、2022年は6.7万トン生産が消費を上回る見込みである。

 

2 統計委員会及び産業関係者討議(IAP)

統計委員会、産業関係者討議(IAP)は合同会議となった。主な講演や関連した議論は以下のとおりであった。

ベルギーに本部を置く国際ステンレス鋼フォーラム(ISSF)の経済・統計・製品担当ディレクターのカイ・ハーセンクレバー氏は、「世界のステンレス鋼市場の現状」についてプレゼンテーションを行った。

上海メタルズ・マーケット(中国)の上席副社長であるローガン・ルー氏は、世界のニッケル需給の概要と中国の新エネルギー産業の原料としてのニッケルについてプレゼンテーションを行った。

 

3 環境経済委員会

環境経済委員会では、ニッケルに関する経済的な問題や動向、環境、健康、安全に関する規制の変更など、幅広いテーマの議論が行われた。

ニッケル・インスティテュートの市場開発担当アナリストのパルル・チャブラ氏は、「ニッケルの将来的な活用」についてプレゼンテーションを行った。

CRU(英)のベースメタル・コスト&エミッション担当のマルタ・デック氏は、「ベースメタルに関するCRU社の炭素排出モデル」についてプレゼンテーションを行った。

サーキュラー(英)のダグラス・ジョンソン・ポエンスゲン氏は、「サーキュラー社の鉱物及び金属のトレーサビリティに関するソリューション」についてプレゼンテーションを行った。

 

4 INSGの次回総会日程その他

2022年10月17日~18日に開催予定。

講演者が発表したプレゼンテーションは、INSGのウェブサイトに掲載する。詳細については、事務局まで問い合わせいただくか、ウェブサイトwww.insg.orgにアクセスしてください。

 

以上

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